フリーランス音楽家の徒然日記

茅ヶ崎市↔︎国分寺市のフルート教師

フリーランス音楽家の帳簿(概要)

 青色申告65万円控除を獲得するには、複式簿記という付け方で帳簿を付けなくてはなりません。貸方、借方という独特の単語が出てくるのですが、詳しいことは税理士さんや会計ソフトのホームページなどに書かれています。仕組みが分かってしまえばそれほど難しいことは無く、慣れれば帳簿をつける事自体に時間もかかりません。

帳簿をつけるツール

 私が帳簿をつけるツールを選ぶに当たって、条件は2つ。1つはパソコンがMacのため(Mac対応の会計ソフトはやや少ない)Macでも使える事。もう1つはなるべくお金がかからない事。売り上げが安定しないうちは、毎年更新費用のかかる会計ソフト(クラウド会計含む)は使いたくありません(帳簿付けの習得までに時間をかけたくない場合は、有料の会計ソフトを使うことをオススメします)。

 この2つの条件を満たしているのが、ExcelB(エクセル簿記)というソフト。ソフトというよりは、帳簿入力に必要な関数が全て完成されているExcelファイルというイメージです。WindowsであろうとMacであろうと、Excelさえ使えれば利用可能です(MacExcelを使うには後からインストールの必要があります、Numbersで起動したことはありませんが、おそらく上手くいきません)。

www.vector.co.jp

 このソフトの素晴らしいところは、基本的にまず無料でスタートできるということ。一年目が終わり、年度更新する際に必要なパスワードが有料マニュアルに載っているので、次年度も使うことを決めた際には購入します(正確な金額を忘れてしまいましたが2,000円程度だったと思います)。かかる費用はその1回だけです!ソフトの更新も行われているので、制度の変更にも対応してくださっています。これまで7回の確定申告を行なってきましたが、問題なく済ませることができているのはこのソフトのおかげです。

複式簿記は自分でできるようになる?

 事業規模が大きくなったり、仕入れなどがあり工業簿記の知識が必要な場合など、自力では難しい場合は税理士さんにお願いしたり、青色申告会・商工会などのお力を借りた方が良いと思います。ですが、音楽家の収入は演奏の報酬やレッスンの謝礼などが主ですので、基本的には自力で複式簿記をつけられます。上記で紹介した「エクセル簿記」は、エクセルの操作の基本が分かっていて、帳簿の仕組みが理解できれば利用できます。「エクセル簿記」の使い方は製作者さんのブログに詳しく解説されていて、仕訳の仕方が分からないときはネットを探せば大体情報が出ています。

帳簿をつける作業は毎日?

 私は収入があったり経費の出費があった時には、なるべくその日のうちに帳簿につけるようにしていますが、何日か後にまとめてつけることもあります。交通費はスイカオートチャージして使っているので、月末にVIEWのサイトを確認してチャージ額を交通費として仕訳し、券売機で利用履歴を印字して移動の内訳をエクセルファイルで作ります。また、支出があった際のレシート・領収書は必ず取っておきます(7年間の保管義務があります)。私はキングジムの領収書ファイルで1年分のレシート・領収書をためて、年度を終えたら月ごとに日にち順にして、ホチキスで止めて保管ファイルに移し(後ほど記載の無印ファイル)、空になったファイルはまた使います。また最近の法改正により、ネットで購入したものなど電子で領収書が発行された場合(Amazonなどで買った場合)は、領収書をPDFでデータ保存しなければなりません。

 こういった地味な作業も、ため込むと確定申告の時期にえらい目に遭いますので、その都度できなくても、せめて月単位では作業を完了しておくことをオススメします。私はネット上でアレンジした楽譜を売る仕事もしており、その売上は月1回だけまとめて仕訳をしています。その時にクレジットカードで払った経費の仕訳や交通費の内訳作成などを行いますが、毎月の作業は30分くらいです。

帳簿の保管

 今までは分厚い帳簿ファイルを何年もためていかなければなりませんでしたが、「電子帳簿保存法」によってその必要がなくなりました。こちらのページがわかりやすいです。

電子帳簿保存法とは|電子帳簿保存法あんしんガイド|弥生

 簡単に言いますと、確定申告のためにつくるいろいろな帳簿や書類を、紙ではなくデータで保管せよという法律です。紙のレシートなどもスキャン保存となっていますが、紙でもらったものは紙のままでもOKです。場所をとって嫌な方は電子保管にするのも手です。ただし領収書の電子保管については方法が決まっていますのでご注意ください。

 この法律に則って書類の保管をすると、ほとんど紙で保管するものはありません。私は以前ハードディスクのデータが飛んでしまったことがあったため、確定申告の際に国税庁のホームページで作成した申告表Bと、会計ソフトで作成した貸借対照表損益計算書は一応紙でも保管しています(公的な給付金を申請する際などに残っていないと大変面倒なことになります)。それ以外に、レシートまたは領収書、源泉徴収票、保険料の通知ハガキ、年金の納付記録の通知、納税の記録などを保管します。今は無印の「ポリプロピレン仕切りファイル」というジャバラのファイルに入れ始めています。

見出しのところに20〇〇年と書いて、年ごとに収納します。13ポケットあるので、保管期限7年分は大丈夫です。数年分たまってきた時に膨れすぎないかどうかは、この先にならないと分かりませんが・・・。保管スペースが10分の1くらいになって大変嬉しいです。

 

 

ざっくりですが、とあるフリーランス楽家の帳簿事情の概略でした。細かい仕訳の方法や経費の線引き、交通費の記録の仕方、電子領収書の保管方法などについては、また別の記事で詳しく書きたいと思います。楽器を買ったら?それが中古だったら?高いドレスを買ったら?などなどについてもお話しします。